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2004.02.27

"Interpreter of Maladies" by Jhumpa Lahiri

 ジュンパ・ラヒリはインド人の両親を持つアメリカ人。九編の短編すべてになにかしらインド文化の香りが漂っている。どちらの文化にも完全に与することができない作者の視点がかえって新鮮で、さりげない描写にキラリと光るものがある。淡々と綴られた物語の背後には、文化とは、民族とは、という問いかけがあるのかもしれない。

 第二編の「When Mr. Pirzada Came to Dine」は、アメリカに移住してきたインド人の少女リリアの目をとおして書かれたもの。ピルザダさんはベンガル人だがイスラム教徒。毎晩リリアの家にやってきて夕食をともにする。でも、両親はピルザダさんをインド人と呼んではいけないという。外見も父と同じ、言葉も同じ、ジョークにも同じように笑うのに……。気を悪くしないようにとピルザダさんに配慮してのことだ。父は地図帳を持ち出して、インドはオレンジ、パキスタンは黄色だろうと、違いを力説する。だが移民の子として米国で暮らす彼女には、同じ言語をしゃべり、毎晩家族と親しくするピルザダさんをインド人と呼ぶなという両親の配慮がわからない。違いは地図帳の色だけなのに……。
 また、生まれたときからアメリカで暮らしているリリアにとって英語は母国。両親やプルザダさんとは違う。大人三人、英単語を覚えるために、食後早々リリアを二階に追いやりスクラブルに興じる場面はなかなか面白い。ゲームとはいえ、子どもに負けるのはしゃくなのだろうか。あるいは親や大人の面子にかけてあまりできの悪いところを子どもにはみせられないというのだろうか。

 "Interpreter of Maladies"の邦訳は『停電の夜に』。ラヒリの小説には文化的、民族的な視点の面白さを秘めたものが多い。二つの文化の狭間で揺れ動く移民二世の文学にもこれから注目していこう。

2004.02.23

"Pobby and Dingan" by Ben Rice

 ぼくの名前はアシュモル。オパールの採掘場があるオーストラリアのライトニング・リッジに住んでいる。パパはオパールの採鉱員。きらきらと色々な色に輝くオパールを見つければ、大金持ちになれるっていつも言っている。
 ぼくには八歳になるケリーアンという変わった妹がいる。ポビーとディンガンは妹の大事な大事なお友だち。でも、ポビーとディンガンは、姿も形もない。そう、妹の想像上の友だちなんだ。でも、妹は本当にふたりがいるって信じてる。パパもママもそんなケリーアンの気持ちを大切にしてる。だってママはポビーとディンガンの食事もテーブルにちゃんと用意してやっているんだもの……。

 でも、ケリーアンが学校に行っているあいだ、パパがポビーとディンガンを預かったときから、ぼくたちの家に不幸がやってきた。パパがポビーとディンガンをどこかへ置き忘れてきちゃったんだ。パパは家のソファーにいるじゃないかというけれど、ケリーアンはいないって言い張る。ポビーとディンガンが死んじゃったって思い込んでいる。そしてその日から、ケリーアンの様子がだんだんおかしくなった。みるみるうちに弱って、本当に病気になっちゃった。
 ぼくは、ケリーアンのためにポビーとディンガンを探しに行く! 絶対に見つけてくるから待っててね、ケリーアン。夜の採掘場は怖いけど、でもさがしてみせる!
  アシュモルは採掘場で、大きくてきれいなオパールを見つける。お金に換えれば大金持ちになれるけど、そのオパールで……。

 妹のために必死でポビーとディンガンを探し回るアシュモル。子供ながらに、あれこれ策を練り、大人を巻き込みながら探し回る。その一途でひたむきなアシュモルの行動はいじらしくてたまらない。

 最初は姿も形のないポビーとディンガンの存在に、いや、そういう設定に戸惑いを感じていたが、ケリーアンとアシュモルの純真な心と、アシュモルの妹思いの行動に、思わず引き込まれて最後まで一気に読み終えてしまった。
 父親は脳天気だし、一種奇想天外な設定なのに切なくて悲しく、それでいてほのぼのするのはなぜだろう。アシュモルが、採掘場でひとり星を見上げ、星はオパールが空に昇っていって輝いているというパパの言葉を思い出す場面はとくに印象的。
 ベン・ライスは本書で2001年のサマセット・モーム賞を受賞した。何とも不思議な物語だ。

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巷で見つけた英語
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I remember Dad telling me that for each star in the sky there was an opal in the earth, and that opals are hidden from view because they are even prettier than stars and the sight of a whole lot of them would break people's hearts.
("Pobby and Dingan" by Ben Rice P.50)

2004.02.19

『どうぞ召し上がれ!』 ピーター・メイル

『どうぞ召し上がれ!』 ピーター・メイル著/池 央耿訳

 フィッシュ&チッピスが最高においしいと思っているイギリス人には珍しく、自国の食の貧しさをあっさりと認め、フランス流の食文化を独特の好奇心と探究心で綴るユーモアあふれるエッセイ。
 トリュフ・フェスティバルを皮切りに、ワイン、チーズ、エスカルゴ、カエルとフランスにとっておなじみの食材をまな板にのせ、それにまつわる歴史や宗教行事、はたまた地方の文化にいたるまでたっぷりと料理してみせてくれる。
 これを読むと、いかにフランス人が食事を大切にし、人生を謳歌しているかがわかって、こちらまで楽しくなってくる。
 プロバンスブームの火付け役となった氏のエッセイらしく、底には深いフランブ文化への尊敬すら垣間見える。なぜ、フランス人がこれほどまで自国の食や味にこだわるのか、それを今日も死守しようとするのか、氏の筆致からそれが伝わってきて、時間に流されて生きている今の私の生活がちょっと味気なく思えてくる。
 食にまつわる祭りや行事を、参加者や関係者と密に行動を共にして、深い視点から眺めているだけに、フランスというお国柄が透けて見えてきて、うわべだけの文化論よりはるかに面白く、なかなか説得力があった。

 また、池央耿氏の翻訳もすばらしく、流れるような文体であっという間に一気に読ませてくれる。読後に満腹感を錯覚するほど、おいしい読み物だった。

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巷で見かけた英語
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Historically, the French have paid extraordinary-some would say excessive-attention to what they eat and how they eat it. And they put their money where their mouth is, spending a greater proportion of their income on food and drink than any other nation in the world. This is true not only of the affluent bourgeois gour-met; where food is concerned, interest, enjoyment, and knowledge extend throughout all levels of society, from the president to the peasant.
("French Lesson" by Peter Mayle, P,8)

2004.02.18

『ウィロビー・チェースのおおかみ』 ジョーン・エイケン

『ウィロビー・チェースのおおかみ』 ジョーン・エイケン作 冨山房

 著者のジョーン・エイケンは今年の一月に七三歳で亡くなりましたね。お父さんは詩人のコンラッド・エイケンです。ジョーン・エイケンは『ささやき山の秘密』で一九六九年ガーディアン賞を受賞しています。

 『ウィロビー・チェースのおおかみ』の時代背景は十九世紀の終わりごろ、英国のヨークシャーとロンドンが舞台です。YAや大人の読み物ばかり読んでいて、童心に帰るのを忘れていたので、最初はちょっとノリが悪かったのですが、途中から面白くなりました。悪者退治あり、冒険あり、秘密の通路あり、ウイットに富んだ会話ありと、英国を満喫できる児童書です。風景や動物の様子がいきいきと描写されています。

 実際のオオカミも登場しますが、悪巧みをする人間のことも風刺しているようですね。 ひとことで言えば、ボニーとシルビア、それにサイモンの三人の子供が繰り広げる冒険物語。ボニーは金持ちのウィロビー卿の娘。シルビアはボニーのいとこに当たるのですが、小さいときに両親を亡くし、おばといっしょにロンドンに住んでいました。おばの身体が弱ったためにウィロビー卿宅に引き取られることになったのです。こちらはボニーと違ってとても貧乏。そしてウィロビー卿夫妻が船旅にでている間、家庭教師のスライカープ夫人がやってくるのですが、両親の留守中にいろいろな騒動が持ち上がって……。
 三人の子供が力をあわせて悪者退治をするという設定です。

 ちょっと面白かったのは、ボニーは大金持ちの娘なのに、いとこのシルビアはとても貧乏なこと。それにウィロビー卿はとても心の広い人なのに、家庭教師のスライカープ夫人は、彼の親戚なのに意地悪なことです。その辺も意図的なのでしょうかね。
 
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巷で見つけた英語
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この本の中で、咳がでる風邪には羊と寝るのがいいといってます。それから桜の皮のシロップとポリッジも効果があると。
'There's nought like lying wi' sheep two-three days for a chesty cough,' pronounced Mr Wilderness. 'The breath of sheep has a powerful virtue in it. That and a brew of my cherry-bark syrup with maybe a spoon-ful of honey in it, and a plateful or two of good porridge, will set her to rights better than the grandest doctor in the kingdom.
("The Wolves of Willoughby Chase" by Jpan Aiken)

2004.02.15

お台場でお別れランチ

040215-001.jpg  今日は、旦那さんの転勤でインドへ行くことになったお友達のお別れ会があった。場所はお台場にあるレストランエノテーカ ピンキオーリ。 お天気がよかったので「ゆりかもめ」から眺める景色も一段と美しかった。何だか外国にでも行ったような気分。レストランの窓からは自由の女神も見えたし……。
 もちろんお料理は絶品でお値段もお手ごろ価格。食後のスイートは五人それぞれ違うものが出た。まずは目で食べ、あとはゆっくりと舌で味わった。 おしゃべりにお料理に楽しい一日だった。

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巷で見かけた英語
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Until the middle of 1980's, there was almost nothing attractive in Odaiba. Trucks from nearby construction slates ran to and fro, and the present buildings now dotting the area did not exist then. From the beginning of 1990's, after it was designated a bay area scenic spot by the Tokyo Metropolitan government, Odaiba began to develop with dizzying speed. ln later half of 1990's, shopping mall `DECKS TOKYO BEACH', Fuji Television, etc. appeared in Odaiba, and from that time on, Odaiba became thronged with people and got well known as an attractive sightseeing spot. Later on, 'Palette Town' and the now famous shopping mall for ladies 'Venus Fort' were established. In 2000, 'Odaiba' came to its peak as a new multifunctional amusement city with the appearance of '`AQUACITY', 'Mediage', etc. Now it has become one of the top ranked sightseeing spots that Japanese would most like to visit.

2004.02.14

"Local Girls" Alice Hoffman

 高校生の主人公グレテルがジルとの友情を育み、家族との別れや悲しみを乗り越えて大人の世界に足を踏み入れていく物語。グレテルの父は若い愛人をつくり、家族を捨てて出て行く。そんな悲しみの中、母は乳がんに犯され苦しみのどん底に突き落とされる。重苦しい雰囲気に包まれたグレテルの家族を、母のいとこのマゴットは何かにつけ支えようとする。グレテルの親友ジルは高校も卒業しないうちに妊娠し同棲生活を始め、やがてグレテルも……。

 初めてアリス・ホフマンの原書を読んだが文章が流れていてきれいだ。物語の情景が目に浮かび、あたかも物語の中にいるような錯覚さえしてくる。内容は全般的に暗い感じだが、最後には光がさしてしみじみとその余韻に浸ることができる。この作品が味わい深いのは、ひとつには、三人称の視点とグレテルの一人称の視点が巧みに折り重なっているからだろう。それぞれの登場人物に語らせるせりふがしみじみと心に響いてくる。

 離婚、愛、死、友情などアメリカのどこにでもある家庭の風景が描かれている。だからこそ多くの読者の共感を呼ぶのだろう。思春期のほろ苦い一時期、グレテルは辛いことをいろいろ経験するが、それが過ぎ去ってみると大人になっている自分に気づく……。生きるということは案外そういうことなのかもしれない、そう感じさせてくれる物語だった。

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巷で見かけた英語
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1. In the last few months, she'd had a lot of time to consider the state of mankind, and she'd decided that people actually had very few choices in their lives. Most things happened to you. Most things rolled right over you and then kept on going.

2."This is the place where the two girls died." Jill points across the street to a house that looks exactly like all the rest. "They killed themselves in the garage."
中略
"Stupid girls." Jill shakes her head. "They should have just waited. That's all they had to do. They would have grown up, and everything would have been all right."
"I'm glad we waited." Gretel says.
("Local Girls by Alice Hoffman P.106)

2004.02.13

サッカー好きの美容師さん

 髪が伸びてどうしようもないので美容院に行った。もちろんカットに行ったのだけど、お目当てはサッカー好きの美容師さんと交わすサッカー談義。お気に入りのその美容師さんは、昨年まで家のすぐ近くのお店にいたのだが、今年からちょっと遠くの美容院に移ってしまった。電車に乗らないといけないけど、サッカーの話をしたくてちょっと遠くまで行ってきた。

 昨日のイラク戦の内容に二人とも不満をあらわにブツブツ言う。パスはカットされるし、ミスは多いし。ろくに練習もしてないイラクにあんな勝ち方しかできないなんて……。ただただゴールキーパーの楢崎を褒めるのみ。オマーン戦は本当に大丈夫なのだろうか。

 中田英寿はさすがだ。15日モデナ戦の後、シューマッハーも利用しているというフェラーリ公式飛行機で、ボローニャ空港からシャルル・ド・ゴール空港まで行くそうだ。高性能小型ジェット専用機なら1時間50分の飛行。そこから15日夜のパリ発最終便に乗って日本に帰ってくるという。インタビューにも堂々とイタリア語で答えるほどの中田選手。才能と努力の両方を兼ね備えた彼の活躍を期待したいものだ。

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巷で見かけた英語
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☆Football Haikus
    Footballing haikus,
    5-7-5 formation,
    Kicking syllables.

☆Haiku for Japan
    "Japanese World Cup?
    Means yes to global warming,
    No to Kyoto?"

2004.02.12

お上品な焼鳥屋

 先日、近くの焼鳥屋へ行った。屋台のような焼鳥屋もそれなりに味があるが、今回行ったのはこぎれいな感じのお店。中年の夫婦だけでやっている焼鳥屋だった。メニューは各種焼き鳥とありふれた料理だけ。焼き鳥とおでんを注文し、おでんが先に来たのだが、いやー驚いた。何がって、おでんを運んできたおばさんが「お熱いので、どうぞお気をつけあそばせ」と言った、いや、おっしゃった。あそばせ……。まさか焼鳥屋で……。でも夫もそう聞こえたという。いやはや、何だかおでんがおいしいような、おいしくないような……。今度は普通の焼鳥屋に行こうっと。


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巷で見つけた英吾
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Yakitori stands are far from fancy; often they'll consist of just five or six stools pushed up against a counter. Clouds of aromatic smoke waft off the grill and into the street to lure hungry passersby. Even at the "nicer" places, the emphasis is less on decor and more on providing good food and a convivial atmosphere.

2004.02.11

『恋におちた人魚』 アリス・ホフマン

『恋におちた人魚』 アリス・ホフマン著 野口百合子訳

 親友のクレアとヘイリーにとって、今年の夏休みはとても悲しいことばかり。夏の終わりには二人の別れが待っている。ヘイリーの家族が遠くへいってしまうからだ。その上、いつも遊んでいるビーチクラブまで閉鎖されるという。夏も終わりに近づいたある嵐の日、人魚がクラブのプールに迷い込んできた。人魚なのに、あろうことかクラブで働く美少年に恋をして、海へは帰らないという。海水がなくて日ごとに弱っていく人魚のアクワマリン。たまらなくなったクレアとヘイリーはいいことを思いつく。

 メルヘンタッチのファンタジー。最後になってノッてきましたが、うーん、ちょっと期待しすぎました。人魚が出る作品だから、フランチェスカ・リア・ブロックに近いかなと勝手に思い込んでました。作者はストーリーテラーとして有名ですから、その辺が違うのかも。若い読者に向けて書かれた作品ですが、しなやかな感性をもった大人にも人気だとか。重い作品に疲れて、ちょっと安らぎが欲しいときにいい作品です。原題は人魚の名前の"Aquamarine"。

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巷で見つけた英吾
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Aquamarine is one of our most popular and famous gemstones and is characterized by many excellent features. It is almost as popular as the classical stones Ruby, Sapphire and Emerald. It is related to Emerald, which just like Aquamarine belongs to the gemstone family of Beryls. However, the colour is more evenly distributed throughout the stone in Aquamarines compared to Emeralds. More frequent in occurrence than its famous green brother, Aquamarine is usually almost free of inclusions.

2004.02.10

イルハン来日

 トルコ代表のFWイルハンがヴィッセル神戸へ移籍のため来日しましたね。ベシクタシュの所属だったとか。私がトルコに住んでいたときは、ベシクタシュとガタラサライとどっちのファンだと聞かれるほど、この二つのチームは有名で、ファンを二分してました。日本ではやっとJリーグが軌道に乗り出したころでしたが、トルコのサッカー熱はすごかったですよ。ヨーロッパの強豪と対戦するチャンスも多いし、国をあげてサッカーに熱狂してました。

 サッカー場がタキシムという町の真ん中にあったので、試合がある日は道が混んで大変でした。トルコは女性の地位が高い国ですが、ファンが興奮するので女性は、サッカー場に近寄れないほどでした。勝つとファンがチームフラッグを車の窓になびかせ、クラックションを鳴らしながら、大声を出して町の中を走るので、夜遅くまで騒がしくて大変でした。

 イルハンが来たことでまた日本の女性ファンがサッカー場に押しかけることでしょう。
イルハン、頑張ってください。活躍を期待してますよ!

2004.02.09

紀伊国屋洋書バーゲン

紀伊国屋の洋書バーゲン

期間:2004年2月26日(木)~3月1日(月)
10:00~20:00
(最終日のみ18:00で終了)

会場: 新宿タカシマヤ 10階催会場
マス・マーケット・ペーパーバック(¥400均一)
辞書 ノンフィクション 絵本・児童書
インテリア ファッション 料理書 人文・社会書等の専門書
超特価ヴィジュアル書¥1000均一コーナー
超特価カレンダーコーナーetc

計25,000冊 通常価格より30%~60%OFF

恒例の洋書バーゲンですね。うう、またツン読の山が増えそう!
ふう~、去年買った洋書、まだ読んでないのがたくさんあるのだ~~。
もっと気合入れてドンドン読まねば。


2004.02.08

『蛇にピアス』 金原ひとみ著

『蛇にピアス』 金原ひとみ著 集英社

 今年芥川賞を受賞したばかりの話題作。作者は二十歳だというから本当に驚きだ。これを読むまで、蛇の舌のように二つにわかれたスプリットタンを知らなかったので驚いたのは確か。でも、身体改造なるものに興味を持つ人がいてもさして不思議はない。自ら苦痛を引き受け、自己責任においてやるのだから……。少なくとも他人を傷つけて相手の人生を狂わせる暴力とは大きく違っている。作者はさりげなくそのことを示しているようにも思える。
 身体改造という人間の見かけのことを扱ってはいるが、その底に流れる若者の純粋な気持ちがよく描かれている。そのへんの感覚に光るものがあり、それを気負うことなく、しかも力のある文章で表現している。審査員の圧倒的な支持を得たというが、それも頷ける作品だ。
(読了:2004/02/06)

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巷で見かけた英吾
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That's not a normal thing. This person has had their tongue surgically separated. It's an attention thing.

You guys are so mean! Just because he has a split tongue and fangs doesn't mean that he's not like the rest of us! At least he doesn't have two heads!

2004.02.06

"The Stolen"

"The Stolen"  Alex Shearer著 Macmillan Children's Books

 《十二歳の女の子が、ある日突然おばあさんになった!》

 赤毛でソバカスだらけのカーリーは一人っ子。姉妹が欲しくてたまらない。おばあちゃんがいる人も羨ましくて仕方がない。だからきれいなメレディスが転校してきたときは、親友になって欲しいと思ってた。ある日、メレディスを迎えにきたおばあちゃんと話をしてみると、何と信じられない事が……。メレディスは本当は魔女で、おばあちゃんが本物のメレディスだという。魔女に若い身体を盗まれてしまい、こんな老いぼれにさせられてしまったとか……。
 心優しいカーリーは、おばあちゃんを昔の姿に戻してあげようと魔女の呪文を探し出す。そしてメレディスの姿をした魔女に眠り薬を飲ませ、その間に呪文をかけて元通りにしようと試みるが……。

 思わぬ展開にページをめくる手がとまらない。魔女や呪文というファンタジーの要素をベースに、ミステリタッチでストリーが進んでいく。それでいて心に響く言葉があちこちに散りばめられている。
 デートも出産も家族の団欒も経験せずに、女の子がいっぺんに老女になるという発想は、おとぎ話によくあるが、じっくり考えてみると背筋が寒くなる。歳をとるということはどういうことなのか、ファンタジーながら妙にリアリティのある作品だ。

 原題は"The Stolen"。魔女に身体を盗まれるという設定だから察しはつくが、邦訳のタイトルは『13ヶ月と13週と13日と満月の夜』という。どうして「13ヶ月と13週と13日と満月の夜」なのか、この本を読めばなるほどと頷ける。ちょっと長いタイトルだけど、これはこれで結構ぴったりしてる。(読了:2004/01/05)

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巷で見つけた英吾
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1.old bag  魅力のない女

2.lose one's marble  頭がおかしくなる 分別をなくす

3. Meredith, you should never take anything in this world for granted. Never depend on things remaining as they are for ever. Anything and everything can change.
中略
All we can do is to hope for the best, and to enjoy what we can of the here and now. Not live for the moment, but in the moment. The present is all we can be sure of.
("The Stolen" by Alex Shearer, p,34)

2004.02.04

senile もうろく

 「senile」とは、「もうろくした」とか「もうろく」などの意味であるが、この「senile」という言葉、アメリカではだんだん「dementia」という言葉にその座を譲りつつあるようだ。言葉は生き物で世相を反映するものだから、それはそれでいいのかもしれない。
 私はこの「もうろく」という言葉を聞くと、トルコに住んでいた日々のことを思い出す。

「もうろく」はトルコ語でもズバリ「もうろく」という。意味も全く同じ。トルコ人の友人にこのことを話すと、みんなとても面白がっていた。何かにつけ私が失敗したり、物を忘れたりすると「モーロク」「モーロク」と笑われたものだ。また共通のアメリカ人の知人にもそれを教えたところ、こちらもたいそう気に入って、トルコ人にも私にも「モーロク」を連発していた。でも、アメリカ人の発音はモー《ロ》クと《ロ》にアクセントがあり、間の抜けたような「もうろく」だった。
 今思うと「モーロク」と言われても当時は冗談だと思って笑い飛ばしていたが、最近では、本当に「もうろく」したのではないかと思うほど忘れっぽい。
 あー、「senile」や「dementia」といわれないようにしっかりしなければ……。

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巷で見かけた英吾
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今日はweblogから。

(1)Hey this is my first post for my newly created blog... I'm still trying to find more codes and tags to improve this boring looking blog.
(2)Hey everybody! It's my first Blog post, I'm so excited! This thing seems really cool.

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