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2004.10.19

『ホエール・トーク』 

『ホエール・トーク』 クリス・クラッチャー原作/金原瑞人、西田登訳 青山出版社

 ワシントンのカッター校に通う混血のT・Jを中心に、人種差別あり、幼児虐待あり、家庭内暴力あり、非行ありの若者たちを描いた物語。辛くて重い現実から目をそらさず、事件の背景や問題児の生い立ちが丁寧に描かれているが、けっして暗くて重いだけの物語ではない。それは、ユーモアの効いたT・Jの語りが、テンポよく進んでいくからだろう。また、T・Jの義理の両親や、一部のしっかりとした大人の生き方がすがすがしく描かれているからにちがいない。

 表面的には、アメリカ社会を強く感じさせる物語だが、おそらく作者の意図するところはもっと深いところにあるだろう。作者のクリス・クラッチャーは、ファミリーセラピストで児童保護活動の専門家。その作者の声が、児童虐待専門の弁護士であるT・Jの養母のことばとして重く響いてくる。

 この作品には、人間のどうしようもない姿が多く描かれているが、障害者やはみ出し者が、アスリートの最高の栄誉であるスタジャンを全力を尽くして獲得するという、一種のスポーツサクセスストーリとして楽しむこともできる。スポーツをとおして次第に成長していく彼らの姿に、作者の思いがこめられているのかもしれない。

 クジラは人間と違って、水の中で自分をそのままさらけだして会話し、全員がそれを理解するという。水の中で自分をとりもどした七人が、本の表紙のくじらになって浮いているのだろうか。『ホエール・トーク』は、辛い現実を扱ってはいるが、読み終わった後に肌のぬくもりを感じさせてくれる作品だ。

2004.10.12

決戦前夜:オマーン戦

【サッカー】 決戦前夜、オマーン戦 

 いよいよ明日は日本のサッカーファンが固唾を呑んで見守る天王山の日。思えば今年の二月十八日まで、私は幸せだった。オマーンにこれほど苦戦させられるとは思ってもいなかったのだから。そして今回のジーコ・Japanは、さらに不安材料を提供してくれた。台風で出発が延びたり、試合会場での練習が一日できなくなったり、故障者が続出したりと……。(ああ、故障を抱えていない選手の方が少ないなんて!)

 一方、この記事によれば、敵将の策士マチャラも予定が狂ってあわてているとか。足の付け根に負傷を抱える中田は、今回メンバーからはずされたのだが、オマーンはその中田攻略の戦術練習ばかりやっていたらしい。

 う~ん、だったらもう遅いけど、中田を今回召集していれば、ものすごく面白いことになっていたかも! だって日本は試合終了までオマーンを欺くことができるじゃないか! つまり、中田をベンチに置き、途中出場するように見せかけて最後まで彼を使わないでおくのだ。そうすれば、敵将はきっといらいらしながら、中田の出番を待つだろう。最後まで中田攻略の機会を信じて! 
 日本はいつも中東の情報戦に屈してきた。どうだろう、そろそろ過去の経験から学んで、もっとずる賢く立ち回ってみては? 適を欺くような策をとって、一度くらい泰然自若の試合運びで、オマーンをコテンパンにやっつけてみては? 

2004.10.10

【サッカー】アジアユース選手権

【サッカー】アジアユース選手権(マレーシア)2004/9/25~2004/10/09

 日本は予選リーグで格下のネパール、マレーシア、ベトナムと対戦。全勝で決勝リーグへ進んだ。最初の二戦はスタメン組みが出場。Jリーグとは違う判定にとまどったり、相手の激しいタックルを受けたりする場面も多かった。三戦目のベトナム戦は決勝進出を決めていたので、選手をがらりと代えてベンチ組みで対戦。こちらも連携がうまくいかずミスの連発だったが、何とか森本が得点して勝ち点3を奪えた。

 まあ、ここまでは勝って当然の試合だった。問題は次の決勝リーグだ。まずWY出場権をかけてカタールと対戦したが、ここから選手たちの戦いぶりががらりと変わる。予選で強豪イラクを破って勝ち上がってきたカタールは、日本より実力的には上だろう。選手たちはミスを恐れたのか、悲しいことに中盤でボールが回らない。キープすらしようとせず、すぐに前線の平山に放り込む。それを繰り返すばかりの面白くない試合運びだった。しかも途中で平山が足を痛め、動きが悪くヘディングでもほとんどせり勝てない状態が続いた。国際経験が乏しい選手が多く仕方がないことだが、リスクを負わない戦いのまま延長戦からPKへ。この試合唯一ほめることがあるとすれば、それは日本人全員がPKを決めたこと。やっとベスト4に進出できた。

 次の試合は宿敵の韓国と対戦。はげしい試合運びとなったが、足を痛めている平山の驚異的な巻き返しで延長ロスタイムにヘディングで同点に追いついた。またしてもPK戦へ。だが、今回の運はここまで。三人がことごとくPKを失敗して、アジアチャンピオンの夢は崩れ去った。

 最後は三位をかけてシリアと対戦。この試合が一番日本らしい試合だった。中盤できれいにパスが回り、DFやMFが次々に前線に顔を出して数点入ってもおかしくない展開だった。ボランチに入った船谷が得点し、このまま日本優勢で進むかに見えたが、DF増嶋のクリアミスでOGを献上。またしてもゲームの均衡が破れずPK戦へ。そのPK戦もドキドキする展開だった。最後のカレンのボールはバーに当たってラインを超え、その後外に出たと審判の判定が下され、やっと勝利を得ることができた。

 まあ、若くて経験が浅いので仕方がないが、このチームにとって長身の平山がいることがいいのか悪いのか……。彼に頼りすぎて放り込みサッカーでは、なんとも悲しく将来が思いやられるというものだ。
 平山選手にはこれから筑波大学のハイテクマシンでしっかりした体幹を作って鍛えてもらいたい。国見高校で毎日走りこんだり、トレーニングを積んだりしたように、厳しい基礎訓練を積み、一日もはやく身体のキレを取り戻して欲しい。
 そして、前線でボールを持ったらシュートが打てるときは、パスを回さず自ら足を振りぬいて欲しい。あんなにすばらしいシュート力があるのだから。選手権の時のあの輝きをぜひもう一度!!


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